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原田マハさんと言えば、『楽園のカンヴァス』や『キネマの神様』などアートからほっこり(←語彙力)まで幅広い小説を書かれている素晴らしい方です。本日は『総理の夫』を読んだので、その感想を。
20××年、相馬凛子(そうま・りんこ)は42歳の若さで第111代総理大臣に選出された。鳥類学者の夫・日和(ひより)は、「ファースト・ジェントルマン」として妻を支えることを決意。妻の奮闘の日々を、後世に遺すべく日記に綴る。税制、原発、社会福祉。混迷の状況下、相馬内閣は高く支持されるが、陰謀を企てる者が現れ……。凛子の理想は実現するのか!?痛快&感動の政界エンターテインメント!
話の概要や政治に関することは、他の方のブログでわかりやすく紹介されているのでこのブログでは超個人的な感想を。
原田マハさんの言葉の選び方に強く惹かれる
原田マハさんが書く文章の言葉の選び方が好きです。
例えば・・・
総理の夫になる前の日和(ひより)さんが凛子(りんこ)さんに恋をしたシーン。
ごごごごごッ、と地響きを立てつつ天の岩戸が開いた。その向こうから、光を身にまとった女神、天照大神(あまてらすおおみかみ)が現れた。それを呆然とみつめる有象無象(うぞうむぞう)のひとり。それが、私だった。こうして、私は、みつけてしまった。私の運命の女性(ファム・ファタール)を。
出典:原田マハ『総理の夫』
とか、
日和さんが凛子さんを野鳥観察に誘い、望遠鏡で見るのを勧めるシーン。
「なんであれ、初めて体験することが感動的だと、その体験したことが、きっと好きになるはずですから」
出典:原田マハ『総理の夫』
正直、この文章を見たときに鳥肌が立ちました。感情を言語化したらこんな感じになるのか、と。原田マハさんの小説では、よく気に入った言葉に付箋をつけて読み返しているのですが、この2つは特に好きかも。
この物語で描かれている、相馬凛子(りんこ)さんは、パーフェクトウーマンなのです。頭が良い、家柄も良い、さらに性格までも良い。。
「相馬凛子、かっこよすぎ!推し!!」と、読者だったら誰もがそう思ってしまうであろう人物で、私も完全にその一人。聡明で、感情的になることが少なく、物事を多角的に見ることができる人。そんな人に私は憧れを抱いているのだと、この小説が気づかせてくれた。
そう言えば、私が憧れを抱いている石田ゆり子さんもそんな感じだなあ、と。
また、この小説では「本日は、お日柄もよく」の伝説のスピーチライター久遠 久美も登場。「本日は、お日柄もよく」も好きな小説で、まさかここで出てくるなんて思わなかったから、興奮のボルテージが上がりっぱなし。(((強い女性×強い女性=最高じゃん👍)))と心の中で叫びながら読み進めました。
夢を語ってくれる人の存在の有り難さって大きいなあと感じた小説でした。